歴史の風薫る用宗海岸と、半世紀にわたり紡がれる「We Serve」の精神
静岡市駿河区に位置し、青い海と豊かな自然を望む用宗海岸。この美しい砂浜を舞台に、今年も静岡青葉ライオンズクラブによる海岸例会(清掃奉仕活動)が開催された。特筆すべきは、この活動がなんと51年もの長きにわたって連綿と受け継がれているという事実。

半世紀以上の長きにわたり、メンバーたちは時代が変わっても変わることなく「We Serve(われわれは奉仕する)」というライオンズの基本理念を胸に、汗を流してきた[1]。かつては生活ごみや漂着物が目立った時期もあったが、クラブの地道な継続的活動に加え、地域住民や行政、各種ボランティアたちの環境保全に対する意識の高まりもあり、最近の用宗海岸は見違えるほど美しくなった。ゴミの量も年々少なめで、訪れる人々を心地よい潮風と澄んだ景観で迎えてくれます。

この美しく穏やかな海岸線を歩くと、現代のどかな港町の風景の裏に、重厚な歴史のロマンが眠っていることに気づく。用宗は、その昔「待船(まちぶね)」と称されていた。文字通り、海が荒れ狂い航海を続けることが困難になった船たちが、一時的に難を避けて安全に身を寄せ、嵐が過ぎ去るのを待つための大切な避難所として機能していたのである。海の男たちや商船にとって、まさに命綱とも言える心強い港でした。

さらに時代を遡る戦国時代には、この地は歴史の表舞台へと躍り出る。駿河国の覇権を握る武田氏が、海の守り、そして攻めの要として「武田水軍」の基地を置いたのがこの用宗(当時は持舟など)であった。今川氏や織田・徳川勢力との攻防のなかで、駿河湾を駆け巡る水軍の軍船が出入りし、緊迫した戦略の拠点として機能していた歴史的背景を持つ。当時の武士や水夫たちも、自分たちが活躍したこの海原を眺めていたのだろうか。そう想像すると、目の前に広がる穏やかな波の向こうに、戦国時代の息吹が鮮やかに蘇ってくるようです。

51年間という歳月は、人の一生にとっても決して短くない。その長い年月を通じて、静岡青葉ライオンズクラブは、ただゴミを拾うという作業にとどまらず、地域の誇りや歴史を未来へ繋ぐ架け橋としての役割も果たしてきました。

先人たちが守り、現代の私たちが美しく磨き上げた用宗の海。かつては水軍の拠点が置かれ、荒海を避ける船の安らぎの地であったこの場所は今や人々の環境を守る温かい心によって再び誰もが癒やされる最高のスポットとなっている。歴史のロマンに思いを馳せながら、この素晴らしい自然環境を次の世代へと大切に引き継いでいくことの尊さを、用宗海岸の例会は改めて教えてくれます。


